市川社会保険労務士・FP事務所

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Q 059  法律が改正されて、離婚をした場合に夫婦の年金が分割できるようになるとよく耳にします。その分割の制度は2種類あるということなのですが、違いがよくわかりません。
 
 離婚をした場合、一般的に女性の老後の年金が少なくなり、生活が不安定となるために、平成16年の法改正により、「離婚した場合に年金が分割される制度」ができました。
 ただ、この「離婚した場合に年金が分割される制度」には形の上では2種類あることになります。一般的に言われている「離婚時の厚生年金の分割」と「第3号被保険者期間についての厚生年金の分割」です。 (このページの下部に比較表があります)


 「離婚時の厚生年金の分割」は、平成19年4月より施行され、離婚した場合には、当事者の合意または裁判所の決定があれば、婚姻期間についての厚生年金の分割を受けることができます。請求すれば自動的に分割できるわけではありませんので注意してください。合意がまとまらない場合は、離婚当事者の一方の求めにより、家庭裁判所が分割割合を決定することができます。分割割合は、婚姻期間中の夫婦の保険料納付記録の合計の2分の1を限度とします。また、施行日(平成19年4月)以降に成立した離婚を対象としますが、19年4月以前の厚生年金の保険料の納付記録も分割の対象となります。分割を行った元配偶者が死亡しても、自身の厚生年金に影響することはありません。また、分割は厚生年金(報酬比例部分)の額のみに影響し、基礎年金の額には影響はありません。分割の請求は、離婚後2年以内に社会保険事務所で手続をしなければなりません。分割請求を行う際は、合意内容を明らかにできる公正証書、調停調書等が必要です。


 「第3号被保険者期間の厚生年金の分割」は、平成20年4月より施行され、第3号被保険者を有する第2号被保険者が負担した保険料については、夫婦が共同で負担したものであることを基本的認識とすることが法律上明記されました。
 離婚をした場合、分割される年金額は、平成20年4月以降の第3号被保険者期間について配偶者の厚生年金の保険料納付記録の2分の1です。こちらは第3号被保険者であった人の請求で分割が可能です。平成20年4月以前の期間については、上記の「離婚時の厚生年金の分割」をもとに、夫婦間の合意または裁判所の決定があれば2分の1を限度に分割が可能です。また、分割の理由は離婚に限らず、分割を適用することが必要な事情にあると認める場合として厚生省令で定める場合(例えば夫が行方不明など)も分割されます。



     離婚時の厚生年金の分割 第3号被保険者期間の厚生年金の分割
施行 平成19年4月 平成20年4月
条件 当事者の合意または家庭裁判所の決定 第3号被保険者であった人の請求でよい
分割割合 婚姻期間中の保険料納付記録の2分の1を限度 第3号被保険者期間について配偶者の厚生年金の保険料納付記録の2分の1
対象 平成19年4月以降に成立した離婚を対象とするが、分割は平成19年3月以前の婚姻期間も対象 平成20年4月以降の第3号被保険者期間が対象。平成20年3月以前は当事者の合意または家庭裁判所の決定が必要
分割の理由 離婚のみ 離婚、夫の行方不明など
分割の請求 離婚後2年以内 請求の時効はない



                                    (回答:2006.1.11)


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